東京大学服飾団体fabは2005年結成以来、一般大学が行う服飾の可能性を探るため、これまで八回のファッションショーを行ってきた。2007年より東京大学総合研究所博物館ンいよるモード&サイエンス・プロジェクトに参加し活動においては、東京大学研究博物館館長である西野嘉章教授、同滝沢直己特任教授からご指導いただき、クリエイションさらなる追求、検討を重ねている。
学問の世界に身を置く学生によるモードへの試行は、ファッション業界においても新鮮な活動として扱われ、学術標本は新たなデザイン資源として価値が認められつつある。
本年度のショウでは、現代を生きる我々が普遍的に直面しながらもあまりにも、自明的であり、それゆえに意識する機会が少ない視覚の問題を扱う。
<視覚>と<認識>による差異、「わたし」と「あなた」の間には必ず見えてないものがある。そのような「わかりあえないこと」をどうわかりあうのか。そこで<水晶体>を通過する光そのものを共有してみる事を試みる。